「熱狂の日」音楽祭・ビギナーの皆様へ

 先日「ラ・フォル・ジュネ・オ・ジャポン 『熱狂の日』音楽祭 2007」のプログラムが発表された。5月の連休に有楽町に集う音楽家たち、そして彼ら(彼女ら)との出会いを求めて集まる人たちによる「熱狂の日々」がまた始まるわけだ。
 「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」のコンセプトについては「はてなキーワード」をご覧いただくとして(笑)、この音楽祭の醍醐味は、各会場をハシゴしながら多彩なプログラムを朝から晩まで楽しめるところにある。このような感覚はクラシックの音楽祭というより、むしろ野外フェスのノリに近いかな、と思う。そしてもちろん、広場にずらりと並んだ屋台も楽しみの一つだ(笑)。
 さてこのエントリでは、私が観客の一人として過去二回の「熱狂の日」音楽祭に参加したときの経験を基に、今年初めて「熱狂の日」音楽祭に出かけようとお考えの皆様に(僭越ながら)幾つかアドバイスをしたいと思います。
①スケジュールは余裕を持って
 タイムテーブル(→こちら)にはコンサートの終演時間も書かれているが、この時間はあくまでも「予定」だと考えておいたほうが良い。コンサートは予定時刻よりも遅くなることもある。次のコンサートの時間が迫っているのか、演奏が終わったあと慌しくダッシュで階段を駆け下りる人を時折見かけるが、できれば余裕を持ってスケジュールを組みたいところ。私は予定終演時刻から次のコンサートの開演まで、最低1時間は空けることにしている。その空き時間に広場の屋台で腹ごなしするも良し、展示ホールでの無料イベントを楽しむも良し、会場隣のビックカメラに行くのもまた良し。ということでチケット予約のときは注意しましょう。

②無料イベントが侮れない
 上の段落でも少し触れた無料イベントだが、これが結構充実していてバカにできない。地下1階の展示ホールは、「熱狂の日」音楽祭のチケットを持っている人であれば誰でも入ることができる。そしてホール中央のステージでは必ず誰かが何かを演奏していて、時には名だたる名手たちの演奏がタダで聴けちゃったりする。去年はここで古くてレアなスタインウェイ・ピアノを江口玲さんの演奏で楽しむことができた
 あと去年はゲリラ的トークイベント「ウラ・ラ・フォ」があった。クラヲタには馴染みの批評家たちが刺激的なトークを展開してて個人的にかなり面白かったのだが、今年もあるのだろうか、というかやって欲しい。
 ということで無料イベントを楽しめるだけの時間的余裕を持ってスケジュールプランを立てると、「熱狂の日」音楽祭がより楽しめるのではないでしょうか。当日会場入り口で配られるチラシなどを必ずチェックしましょう。

③「A」よりも「C」のほうがイイ
 誤解しないでほしいが、これはホールの話(笑)。「熱狂の日」音楽祭ではオーケストラ・コンサートは「ホールA」(座席数:5012)か「ホールC」(同:1502)のどちらかで行われる。しかしホールの音響は「ホールC」の方が良いように私には感じられる。ということでオケの音を初めて聴く方は特に「ホールC」で聴く事をおすすめします。

④音楽祭は「ハレ」の場。でも服装は「ケ」でもオッケ。
 去年も一昨年も、会場では若いカップルを沢山見かけた。しかし彼ら(彼女たち)の中には「クラシックのコンサートに行くのって初めてだから、とりあえず思いっきりオシャレしてきました」っぽい格好の方々もチラホラと見受けられた。
 デートを兼ねて有楽町へ、という若者には是非とも普段着のままで「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」を楽しんでいただきたいと思う。この音楽祭はカジュアルな服装が似合う、フランクなムードの音楽祭ですから。かく言う私も去年はサッカーのレプリカユニで会場内をウロウロしてました(笑)。ということで「クラシックだから…」と気張らず、気軽に「熱狂の日」音楽祭に熱狂しましょう(笑)。