私は流行に流されやすい男だから

車で香川県に出かけうどん屋をはしごして来た。
先ず訪れたのが「谷川米穀店」。事前の情報だと「のどかな山間部にあるお店」ということだったけど、正午過ぎに訪れた現地はまるで夏祭りのような賑わいだった(笑)。付近の道路には西日本各地のナンバープレートを付けた車がずらりと並び(おかげでトラックが通りにくそうにしていました)、店舗からは「ディズニーランドもさぞや」というくらい長い行列が伸びていた。列の最後尾には店員とおぼしき人物が大きなうちわを掲げている。「なんだろう…」と思い近づくと「売り切れました」の文字が…。
次は讃岐平野に下りて「食べたあと感動の余り泣き出した人が居る」「うどんを飲み込んだら麺が行方不明になる」などのウワサがある(笑)「なかむら」へと車を走らせた。現地に着いたのは午後1時ごろ。店舗周辺の道路はやはり路駐のアラシ。遠くから店の前を覗くとやはり行列が出来ていて、その最後尾には「売り切れ」の看板が…。
とりあえず腹が減っていたので「なかむら」付近にあった通りすがりのチェーン店でぶっかけうどんを食したあと「宮武うどん店」に向かったが、なんと今日は臨時休業…。三軒続けて振られてしまったが、めげずに麺通団のガイドブックを頼りに「宮武」の近くにある「白川」に行ってみた。

(ケータイで撮った画像なのでわかりにくいと思いますが、画面中央が「白川」です。とりあえず田んぼの真ん中に忽然とそびえ立つうどん屋であることを示すためにupしておきます:笑)
店内に入ると左手にお椀が山と積まれていた。小さいのを手に取り店員の立っている方に向かうと「『かけ』(かけうどん)でいいですか?」といきなり話しかけられる。私は元々「かけ」を頼むつもりだったので従順に「ハイ」と答えたら、店員は私のお椀にうどん玉をポンと置いた。「これって…」。少し間を置いてようやく事態が飲み込めた。私はセルフうどんのお店に入ったという現実を悟り、CXのうどん巡り特番*1を思い出し「てぼ」(麺をゆでるときに使うざるのような容器)を逆手に持ち麺をゆでた。うどんをお椀に戻して「だし」を上から掛ける。葱を載せてから席を見つけて座って食べる。うまい。麺もうまいがだしがゴクゴク飲んでも全然後腐れが無い。完食。
次は「長田 in 香の香」。ここは「白川」と比較して実に判りやすいロケーション(笑)。オーダーしたのは「釜あげ」。このお店はセルフではなくて先ずレジの前に並んで希望の品を注文する「前払い制」だ。250円を支払うと木札を渡される。空席に着いてうどんが来るのを待っている時間が手持ち無沙汰だったので、大きな徳利からダシを器に注ぐ。すると魚介系のダシ特有の芳香が鼻から脳に伝わる。これは只者ではなさそうだ。木札に書いてある番号が呼ばれたので挙手して釜あげを受け取る。薬味(ネギ&しょうが)を器のダシに加えて麺をつける。濃厚なダシで味付けされたうどんが舌に絡まる。うまい。完食。
最後は「もしかして麺が無くなってしまってるかも…」という一抹の不安を抱きつつ「やまうちうどん」に向かう。

先日公開された映画でも話題となった、「やまうち」に入る目印となる例の踏切。「小さく『うどん』と書かれた看板だけが頼り」という事前情報だったが、このチェックポイントはあっけなくクリアー出来た。なぜなら次から次へとひっきりなしにこの踏切を車が通過していくのだから(笑)。

数分待っているだけで店内に入ることができた。私のオーダーは「あつあつ」(この意味が分からなくても、実際にお店に入ると店員さんがちゃんと説明してくれるのでご安心あれ)。麺を口に含むと明らかに讃岐うどんで最高レベルの腰の強さ、粘りを感じる。この麺の自己主張の強さは相当のものだが、それをやさしく包むダシとの調和も見逃せない。ともかくうまい。完食。

「やまうち」といえばフルーツ牛乳やらなめ茸やらの「らしからぬ」商品を打っていることでも有名らしいが、入り口付近では園芸用と思われる「石」が置かれていて、それらには値札が付けられていた。そして石の傍らには苗木も売りに出されていた。このお店はホームセンターも兼ねているのだろうか(笑)。
今日のところはこれにて打ち止めとさせて頂いたのだが、個人的に印象に残ったのは、うどん屋さんの店員たちの笑顔。ラーメン店だとみんな目が吊り上がっている(しかも旨い店ほど店員の表情が殺気だっている:苦笑)のだが、今日訪れたお店の店員はみんな目尻が垂れ下がっていて、実に柔和な表情だったのだ。これはどうしてなんだろう。

超麺通団3 麺通団のさぬきうどんのめぐり方

超麺通団3 麺通団のさぬきうどんのめぐり方

↑今回のさぬきうどん巡りで参考にした本。実に重宝しました。
(関連記事)「池上」周辺が大変なことになってるらしい。千日前の某ラーメン店を思い出した。

*1:この番組でうどんを完食しまくっていた松尾翠アナ。実にいい食べっぷりでした。彼女、将来大物になりそうな予感…