肉でも魚でもない

短い準備期間で昨日の試合に臨んだ日本A代表だったが、「前へ走ること」と「早く攻めること」に対する意識付けは出来ていた。ドイツW杯で堅守を見せたトリニダード=トバゴも、前への動きを繰り返す日本代表に幻惑されていた。そんな相手の混乱に乗じて2点を取ることができたのだと思う。守備をする選手にとって、ターゲットとなる相手選手が動いていると、その分捕まえにくいことは、素人にも容易に想像できる。これは夏の食材である「そうめん」に例えると分かりやすいかもしれない。皿の上に盛り付けられたそうめんは容易に箸で捕らえられるが、「流しそうめん」だと流れに注意しないと「そうめん」がスルリと手許からすり抜けてしまう。昨日の試合での日本代表は(少なくとも前半は)流れるような動きが出来ていた。
ただ昨日は、流しそうめんは90分続かなかった。後半トリニダード=トバゴが若干の修正を加えてきた時点で、交代選手は積極的な動きで「流れ」を変える必要があったが、それが出来なかった。やはり現在のジェフ千葉が持つ「老獪さ」を、わずか3日間の練習で日本A代表が獲得することはできなかったようだ。まあ昨日の結果だけで一喜一憂せず、冷静に今後への課題を見据えて頂きたいと思う。