「外国語=菓子」論

いや就任早々飛ばしまくってますね<新文科相。しかし個人的には最近の小学校の英語導入についての議論には若干の違和感を感じる。
そもそも「初等教育に英語を」という議論は、国際線の客室乗務員に向かって「アイ・アム・オレンジジュース」と口走ったり、外国の学会で立派に英語でプレゼンを済ませたあと質疑応答の時間に入った途端に「アイ・キャント・アンダースタンド…」との一言を残し敵前逃亡する日本人が多いのはなんでか、というところから始まり、「日本の英語教育をどうすれば良いか?」と議論した結果導き出された結論の一つなわけで、それを「日本語も満足に話せないのに英語教育など…」と、国語教育と関連付けたところに無理がある。国語については既に中教審が「古文・漢文を初等教育に取り入れよう」と、日本古典文学を重視する姿勢を打ち出している。日本語も英語も早いうちから学ぶ。それで良いではないかと思うがどうか。
まあ中教審の最初の方針だと「英語の授業は週一回程度」ということだから、これじゃ菓子どころかグリコのおまけ程度だ(苦笑)。しかしそのオマケも結構バカに出来ないと思う。たとえ簡単な会話程度でも、英語を聞くだけで日本以外の世界があることを本能的に感じ、そして日本が世界の構成員であることを自ずと意識していくことは教育上好ましいことだと思えるのだが。そして余談ではあるが、「週一回」程度の授業頻度なら私学の中学入試で英語を取り入れる学校は限られると思う。だからこのコラムにあるような危惧は当たらないと思う。
個人的にはやはり英語教育は置き去りにするとマズイと思う。韓国や中国では小学校で英語を学習しているのだが…。「枚方市小中一貫英語教育特区」(←リンク先pdfファイル)の経過を数年間見守った上で、小学校での英語の導入の是非を検討しても遅くないと思う。