今日したこと

ネットから隔絶された環境で丸一日過ごす。用は日直なのだが、暇な時間が多く取れたので読書。ウワティスワフ・シュピルマン著「ザ・ピアニスト」(ISBN:4393495217)を読む。ロマン・ポランスキー監督の「戦場のピアニスト」のネタ本になった手記だが、何も今日という日を選んで力んで読んだわけではなくて、ただ図書館で借りたこの本をずーっと積んでほったらかしにしたまま2ヶ月が経ち、さすがに返却しないといけない気分になったので手を付けた。それだけ。正直読んでて気が滅入ることは予想されるこの本は読みたくなかった。ただピアノとピアニストが好きな俺が読まない訳にはいかんと云う、半ば義務感で読破する。読了後予想通り気が滅入った…。
賑やかな大都市ワルシャワが数日のうちに人気のない戦地に変貌する様をリアルに描写したシュピルマンの筆致は見事だが、それと共に印象的なのは、戦後まもなく自国で出版された初版本が、早々に発禁になったという点。行き場を失ったユダヤ人ピアニストを救ったのがナチの将校、というのがまずかったのだろうが、このせいでシュピルマンの体験が世の知るところとなるのが遅れたのだとしたら残念なことだ。