カカとルシオ

コンフェデ杯「日本対ブラジル」。ブラジルの先制弾は日本のコーナーキックから始まった。

ゴール前のマルコス、中田英、カカ、ルシオ(右から)。
もう一枚。

カカもルシオも、遠くの方を眺めている。彼らの視線の先にあるのは…

フィールドの中央に居るロビーニョ。そしてメイン側の、やはりゴールから離れて立つロナウジーニョ*1。カカとルシオは2トップの位置を確認していたのだ。「ボールが来たら、この2人にボールを回そう」。小笠原のキックをルシオは思惑通りにヘッドでポーンとロナウジーニョの張る右サイドへ上げた。これを受けたロナウジーニョは彼らしいコントロールで自分の支配下にし、加地を振り切ってゴール前へ。そしてロビーニョのゴールとなった。
ここでブラジルが漫然とゴール前のボールを弾くのではなく、どんな状況でも得点に結びつけるプレーをイメージし、それをイメージ通りやったのがすごいのだ。きっとカカやルシオの頭の中には「あの2トップにできるだけ速くボールを回せば、スピードでゴールまで持っていくだろう」というところまで計算していたのだろう。彼らはフィールドプレーヤーの位置を確認し、その上で瞬時にどんなプレーが良いかをイメージすることが出来るという能力もずば抜けている。
このシーンに限らず、試合中に起こるいろんな場面でのプレーの仕方のイメージが引き出しというのをブラジルのサッカー選手は沢山持っているに違いない。まるで沢山の棋譜を暗記した棋士が適切に駒を動かすように、彼らは選手の位置関係を一瞥すれば、どうボールを動かせばいいのかが分かってしまうのだろう。日本もそこまでいって初めて「世界水準」になるのかもしれない。

*1:一番下の写真は上2枚からは少し時間が経過してますが、良いのが無かったので代用しました