フルトヴェングラーの録音はいつパブリックドメインになるか

先日発売された「クラシックジャーナル」誌第10号で山崎浩太郎氏が「フルトヴェングラーはどこにいる」というタイトルのコラムでそのことに触れている。元々フルトヴェングラーの音楽レコードは、その殆どが商業録音を行ったEMIとドイツ・グラモフォン(ユニヴァーサル系列)から発売されていたのだが、最近は著作隣接権保護期間を過ぎた音源を用いたCDが乱発されている。ダイソーで100円で売られていたりするのもそれだろう。これらのCDの場合、音源には録音テープ以外にも正規発売されたSPやLPを用いることが多いが、山崎氏のコラムによるとLPを原盤にしてCDを製作する(「板起こし」という)場合、そのLPの初発売から50年間が保護期間となるため、ややこしいケースが起こるという。
フルトヴェングラーの現存する唯一のベートーヴェン交響曲第2番」の録音は1948年の録音なのだが、EMIがこの音源をLPにしたのが70年代後半なので、これから20年あまりはEMIの許可なしにそのLPを板起こしでCD化できない。だが放送局に保存されていた音源や、放送を私的に録音した(エアチェックした)テープやらを原盤に使用する場合は、すでに50年の保護期間を過ぎている、と解釈されCD発売がOKとなるそうだ。ちなみにフルトヴェングラーは来月30日で没後50年となるので日本では来年1月1日以降全てのライブ録音がパブリックドメインになる*1