Support Hyperion

イギリスの独立系クラシック音楽レーベル「ハイペリオン」<Hyperion>(→公式サイト)が、歴史的史料から演奏可能なバージョンへと編纂された楽曲の著作権をめぐる裁判に巻き込まれ敗訴となった。このことは既にネットの各所(こことかこことか、はたまたこことか)で取り上げられている。
さてこの裁判自体の問題もさることながら、敗訴となったハイペリオン側には賠償金と裁判費用を合わせて2億円以上を支払う義務が課せられるわけで、この負担が足枷となりレコード会社の活動に影響が出るのでは、と懸念されている。「2億円」という金額はメジャーレーベルには端金だが、インディーズにとっては会社の存亡に関わるほどの大金なのだ。ハイペリオンも公式サイトで「今後1,2年は新録音を減らしていくことになる」と一時的な活動の縮小を示唆するコメントを出している。更には財政支援のために一般からの寄付も募っている。
現地の新聞には「他のレコード会社への吸収合併も」と書いたものもあった。もしそれが現実になったらどうなるか。メジャーへの屈服はレーベルの「死」を意味する。ワーナー傘下になったフランスのエラートを見れば明らかだ。一旦ユニヴァーサル系列になったタリス・スコラーズの独自レーベル「ギメル」は活動の自由を求めて、メジャーと袂を分かち再び独立レーベルとなる道を選んだ。ハイペリオンといえば日本ではアンジェラ・ヒューイットやマルク・アンドレ・アムランのイメージが強いが、このレーベルのリリースの半分以上が古楽、イギリス音楽、フランス音楽など、メジャーが及び腰になるジャンルの音楽なのだ。ハイペリオンが消えて無くなると、こういった音楽に触れる機会が今まで以上に少なくなるだろう。
ともあれ、これまで数々のCDでファンの期待に応え続けていたハイペリオンが、たった1、2度の裁判で屋台骨がぐらついている。この事態にあのローレンス・レッシグ教授が反応し、自らのブログで「support Hyperion」とコメント(→参照)した。私も自らの心の中にある思いを伝えるために何か出来ないかと思い、拙いながら「support Hyperion」バナーを作り、自らのサイトに掲げることにした。
●バナー(小:120x60)

●バナー(大:234x60)

●バナー(特大:390x72)

↑「坂本くん」は上記3つのバナーに関する全ての著作権を放棄しておりますので、もしよろしければご遠慮なくご使用下さい。
これ以外の活動の一環として、今日CD店でハイペリオンのCDを5タイトル購入しました(←単にいつもの買い物とおんなじ調子のような気がするが…)。